

バブ~
ステロイドとは?

まりこ先生、ステロイドって悪いものってよく聞くんですけど、実際はどうなんすか?

はい、確かにステロイドって悪いイメージを持たれてる方がよくいますが、私は悪いイメージを持っていませんよ。まずは、ステロイドのことをご存知ない方のために詳しく説明しますね。
- アトピー性皮膚炎
- 関節リウマチ
- 自己免疫疾患
- 喘息

ここに上げたのは主なもので他にも様々な症状に使用されているんです。ところで、Y.Mさん、ステロイドって実は人間がもともと自ら作り出している成分っていうのをご存知ですか?

え!?そうなんですか?

はい!ステロイドは、『副腎皮質ホルモン』の一種で、腎臓の一部『副腎』というところで作られるホルモンで元々人間が自ら作り出してます。

東京女子医科大学HPより

ということは、私達が体に悪いと思っているものが、実は自分の体でも作られてるってことですか?

そういうことに、なりますね(^^♪
ステロイドの働き

では、何のために体はステロイドを作っているんですか?

はい、とてもいい質問ですね。ステロイドは下記に挙げたような身体のトラブルを抑える働きがあります。
- 炎症を抑える。
- 高すぎる免疫を抑える。
- 胃酸の分泌をアップさせる。

あ!なんか先ほどの話とつながりましたね?

さすがですねえ!気づきましたか?ステロイドは私達の身体のトラブルを抑える働きをお薬として利用しているんです。
- アトピー性皮膚炎⇒炎症を抑える。
- 関節リウマチ⇒炎症を抑える。
- 自己免疫疾患(免疫が高すぎる)⇒免疫を抑える。

こんなに良い物なのに、どうしてイメージが悪いんですか?

問題はそこなんですよね。原因は副作用だと考えています。
ステロイドの副作用と注意点
ステロイドの副作用

ステロイドの副作用で主なものは下記になります。このような副作用が一般的に身体に悪いというイメージを広めたと考えています。
- 感染症
感染症にかかりやすくなったり、感染症が治りにくくなったりします。 - 高脂血症、肥満と糖代謝異常
血中のコレステロールや中性脂肪などの脂肪分が上がってきます。また、インスリンの作用を抑え、血糖値を上げる作用があります。食欲を増加させる作用もありますので、体重が増えないよう食事管理は非常に重要です。 - 精神、神経症状
ステロイドの副作用による精神神経症状で、最も多いのは睡眠障害です。また、気分が高揚したり、逆に落ち込んだりすることもあります。 - 副腎不全
長期間ステロイドを服用していると、副腎は萎縮してステロイドを作る力が弱くなってしまいます。この状態でステロイドを急にやめてしまうと、本来、副腎から作られるステロイドがないために、低血糖、ショック、下痢、発熱などの命にかかわる症状が起こる可能性があります。危険なので、長期に服用中のステロイドを急にやめることは決してしないでください。
ステロイド使用中の注意

ステロイドを使用中には下記のことを十分注意してください。
- 生ワクチン投与の不可
生ワクチン:感染能力があり毒性を弱め病原性をなくした生きた病原体
不活化ワクチン:感染する能力を失わせた病原体
ステロイドで免疫が低下するので、生ワクチンを使用すると感染するリスクがある。 - 感染したところに使用してはダメ
(例)水虫、とびひ等

副作用、注意点を見ると、なんか怖いですね。

確かにそうですね。でも副作用、注意点があるのは、ステロイドに限ったことではないですよね?

確かに。じゃあ、私達はどうしたらいいんですか?

どんな薬もそうなのですが、使用方法を理解して正しく使用して欲しいんです。そのために、私達、薬剤師がいると考えています。

なるほど、使用方法をしっかり理解して使用すれば怖くないってことですね。

はい!その通りです。疑問に感じたら医師や薬剤師に相談してみてくださいね。もちろん私でも結構ですよ(^^♪
まとめ
- ステロイドはさまざまな身体のトラブルを抑えてくれる。
- ステロイドにはさまざまな副作用がある。
- 副作用は医師や薬剤師に相談して使用すれば怖くない

少しは理解していただけたでしょうか?私自身も今回の質問でいろいろ調べて改めて勉強になりました。最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は、私がお世話になってるY.Mさんから質問をいただいたので、それに答えていこうと思います。最後まで読んでくれたら嬉しいです。